今回は少し脱線企画のその2です。マイクラの化学キットを使った勉強です。
今回は元素ブロックを使って特定の元素に関する性質や応用を取り上げたいと思います。
マイクラの化学キットには元素ブロックなるものが存在しており、ブロックの積み上げで元素記号の周期表も再現できるようになっています。
今回はこの中から貴金属系の元素を取り上げてみます。
まず貴金属とは何ぞやと言う事ですが、応用する領域において定義される範囲が異なるようです。まず金、銀及び白金(プラチナ)が代表的な3種となり、次いで白金族元素としてパラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、オスシウムの5種が有ります。化学上の総合的な定義での貴金属はこの8種となります。白金族元素と言うのは読んで想像できる通りプラチナと化学的な性質が近い同志で有ります。
左上からルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミシウム、イリジウム、プラチナとなります。白金族元素の内、実際の製品応用の範囲は分野で異なる様で装飾品にはプラチナを初めとしてオスミシウムを以外の4種が使用されます。
自動車の排ガス浄化装置で触媒に利用されるのはプラチナ、パラジウムとロジウムの3種になります。
装飾の素材として白金系の材料を使用する場合の関係性としてはプラチナが主材となります。プラチナの場合主材の品位は千分率(‰)で表記され、最高純度として主材単体で使用される場合はPt999(いわゆる純プラチナ)として表記されます。これは高級クラスの宝飾品で有るとか投資のためのインゴット等で使われる品位になります。ですが当然ながら最高品位では価格の中の材料コストが高くなる他、単体では加工が難しいと言う性質があるため*1主材の品位を引き下げて合金とする場合が多いわけです。そこでパラジウムやルテニウムがプラチナで合金を作る際の混合材として使用される事になります。
品位が下がると言っても実際そこまで価値が落ちると言う程でも無いです。プラチナの使用で定番と言える婚約指輪や結婚指輪でもPt900(90%に純度を引き下げた合金)はとても多く、そしてこれらはハイグレードな製品として認知もされているわけです。*2
プラチナの材料としての特徴としては変色等に強いと言う性質が有ります。これはプラチナの化学的耐性の高さからくるものです。この耐久性と言うのは永続的とも言えるもので、こうした特性は理屈的観点からのメリットの他、永遠の愛とか言う意味でも商品としてのコンセプトにもピッタリと言うわけです。
そのプラチナですが、身近で目に入りやすい応用としては宝飾品や工芸品が多くを占めるわけですが、実際には需要の半分以上は工業用、とりわけ自動車産業において排ガスを浄化するための触媒を初め多くの部品に利用されています。
触媒に使用される材料自体は化学的に不活性で有る事が求められるため、上記で記したようなプラチナ(及びパラジウム等)の特性が大いに活きる事となります。触媒は自動車以外にも近年では燃料電池等でも使用が注目されていたりもします。
少し大がかりな表現をするとプラチナや同系の貴金属は文明社会の維持や持続のために必須な材料と言えます。そのプラチナ系統なんですが、これらはレアメタルとも呼ばれているのもご存じでは有るかも知れません。要するに需要に対する供給が圧倒的に少ないとう事です。プラチナなどの材料の相場動向をウォッチしている方は特に関心を持たれてる向きが多い事と思いますが、プラチナの産業需要はとかく社会的に重要性が高いものが多いと言うのは上記のリンク先でも言及されている通りです。
自動車産業においては自動車の総生産台数と部品に使用される貴金属の使用量が基本的に比例関係と見ることができます。自動車産業等においては貴金属使用量の低減技術の他、代替可能な材料の開発が一大テーマとなっているわけです。
もう少し書いてみたい事も有りますが、今回はここで〆とします。
参考文献